
サービス開発手法
CubeWorksのサービス提供手法は、ビジネス要件の深い理解と技術的な実装能力の両方に基づいています。プロジェクトの初期段階では、クライアントの組織構造、既存のデータ環境、分析要求を詳細に把握します。この理解に基づき、適切なアーキテクチャを設計し、段階的な実装計画を策定します。
次元モデリングでは、ビジネスプロセスを分析してファクトテーブルと次元テーブルを設計します。データの粒度、次元階層、緩やかに変化する次元の実装方法を、分析要求とパフォーマンス要件のバランスを考慮して決定します。スタースキーマまたはスノーフレークスキーマを適切に選択し、将来の拡張性を確保した構造を構築します。
ETLパイプライン開発では、データの抽出、変換、読み込みの各段階で品質管理を実施します。増分読み込み戦略により処理時間を最小化し、並列処理によりスループットを向上させます。エラーハンドリングフレームワークでは、データ品質の問題を分類し、適切なリカバリ処理を実行します。処理ログとエラーログを詳細に記録することで、問題発生時の原因究明を支援します。
パフォーマンス最適化では、クエリ実行計画の分析に基づき、インデックス戦略とパーティショニング設計を行います。集約テーブルにより頻繁に使用される集計値を事前計算し、クエリ応答時間を短縮します。負荷テストを実施し、データ量増加に伴うパフォーマンス特性を把握することで、適切なスケーリング戦略を提案します。
提供サービス詳細
3つの主要サービスにより、組織のデータ活用を支援します

エンタープライズデータウェアハウス開発
組織データを集約し、戦略的意思決定を支援する包括的なデータウェアハウスを設計・構築します。アーキテクチャ開発では、現在のデータ量と将来の成長予測を考慮した長期的なスケーラビリティを確保します。
主な提供内容
- ビジネス要件分析と次元モデル設計
- スタースキーマまたはスノーフレークスキーマ実装
- 緩やかに変化する次元とブリッジテーブル構築
- ETLパイプライン開発とデータ品質管理
- 集約構造とインデックス最適化
- データディクショナリと運用ドキュメント作成

リアルタイムデータウェアハウス近代化
バッチ処理中心のデータウェアハウスをリアルタイム分析プラットフォームへ変革します。ストリーミング統合により、運用システムとイベントソースからの継続的なデータ取り込みを実現します。
主な提供内容
- ラムダアーキテクチャまたはカッパアーキテクチャ設計
- ストリーミングデータパイプライン構築
- 変更データキャプチャ機構の実装
- リアルタイム集約とマテリアライズドビュー
- 遅延メトリクスとスループット監視
- データ整合性検証フレームワーク

クラウドデータプラットフォーム移行
オンプレミスのデータウェアハウスをクラウドプラットフォームへ移行し、弾力的なコンピューティングとストレージ機能を活用します。評価フェーズでは既存ワークロードを分析し、クラウドネイティブな最適化機会を特定します。
主な提供内容
- ワークロード評価とクラウドプラットフォーム選定
- 並行運用戦略とデータ同期機構
- 自動スケーリングとストレージ階層化設定
- セキュリティフレームワークとコンプライアンス対応
- コスト最適化とリソース監視
- 技術移転とチームトレーニング
サービス比較と選択ガイド
組織の現状と目標に応じた最適なサービスの選択
比較項目 | エンタープライズDWH開発 | リアルタイムDWH近代化 | クラウド移行 |
---|---|---|---|
適用シナリオ | 新規データウェアハウス構築 | 既存システムの即時性向上 | オンプレミスからの移行 |
データ鮮度 | 日次または時間単位 | リアルタイムまたは分単位 | 既存の頻度を維持または改善 |
実装期間 | 3〜6ヶ月 | 4〜8ヶ月 | 3〜7ヶ月 |
技術的複雑性 | 中程度 | 高い | 中〜高 |
インフラ要件 | オンプレまたはクラウド | クラウド推奨 | クラウドプラットフォーム |
主な利点 | 統合されたデータ基盤 | 即時のビジネス洞察 | スケーラビリティと柔軟性 |
サービス選択のガイダンス
エンタープライズDWH開発: 複数のデータソースを統合し、包括的な分析基盤を構築したい組織に適しています。データの歴史的蓄積と、定期的なレポート作成が主な要件の場合に推奨します。
リアルタイムDWH近代化: 既存のバッチ処理システムでは意思決定の遅延が課題となっている組織に適しています。リアルタイムダッシュボードやアラート機能が必要な場合に推奨します。
クラウド移行: オンプレミスの運用コストや拡張性に課題を感じている組織に適しています。弾力的なリソース活用と、最新のクラウドサービス導入を目指す場合に推奨します。
使用技術とツール
データベース技術
- PostgreSQL、MySQL、Oracle Database
- Microsoft SQL Server、Amazon Redshift
- Google BigQuery、Azure Synapse Analytics
- Snowflake、Teradata
ETLツール
- Informatica PowerCenter、Talend
- Apache Airflow、AWS Glue
- Azure Data Factory、Matillion
- Fivetran、dbt (data build tool)
クラウドプラットフォーム
- Amazon Web Services (AWS)
- Microsoft Azure
- Google Cloud Platform (GCP)
- ハイブリッドクラウド構成
分析・BIツール
- Tableau、Power BI、Looker
- QlikView、MicroStrategy
- Apache Superset、Metabase
- カスタムダッシュボード開発
サービスパッケージと統合ソリューション
データ基盤構築パッケージ
エンタープライズDWH開発とクラウド移行を組み合わせたパッケージです。オンプレミスでの概念実証を経て、クラウドプラットフォームへ本番環境を構築します。段階的なアプローチにより、リスクを最小化しながら最新のクラウド技術を活用できます。
リアルタイム分析基盤構築
エンタープライズDWH開発とリアルタイムDWH近代化を組み合わせたパッケージです。バッチ処理による歴史的データ分析と、ストリーミング処理によるリアルタイム分析を統合した包括的なプラットフォームを構築します。
フルスタック データソリューション
3つのサービスすべてを含む包括的なパッケージです。既存システムの評価から、クラウドベースのリアルタイムデータウェアハウスの構築まで、完全なデータ基盤の変革を実現します。最大の技術的価値を提供する統合ソリューションです。